書評:本当のようなウソを見抜く

鈴木敏文の「本当のようなウソを見抜く」?セブン-イレブン式脱常識の仕事術

鈴木敏文の「本当のようなウソを見抜く」?セブン-イレブン式脱常識の仕事術

セブンイレブンジャパン会長、鈴木敏文さんの仕事に対する考え方が端的にまとめられています。
明瞭かつ率直で、はっと気づかされる珠玉のアドバイスが多数含まれています。
全体を通して読んでもいいですが、目次を見て目の留まった項目を流し読みするだけでも価値があります。
彼のスタンスのすばらしさは、世間のうわさや慣習的な常識にとらわれず、一次データを出来るだけ入手し直接分析する(分析させる)ことにより、前者に含まれるウソを見抜きビジネスを成功させてきたこと。末端の一社員・アルバイトにいたるまで仮説検証型の思考法が身について好業績をあげているという、セブンイレブンの思想と行動体系の一端に触れることが出来ます。
以下、心に残った言葉を本文から抜粋します。

・経費削減による利益増加は縮小均衡。経営改善ではない。
・日本は時間軸で見ると多様化。しかいある一時期では画一化
・顧客のためにと顧客の立場は異なる。後者を意識する。
・顧客に都合が良いことは、売り手に都合が悪い。
・成功体験のある玄人より、素人。
・過去の経験のフィルタを通すと変化が見えない。
・安くしなければ売れないは、売り手の勝手な決めつけ。
・欲望に際限なし、人間の本質。
・仮説を立てないは、仕事をしてないと同義。
・主客一体
・もう一人の自分から、自分を見る。
・マスコミは過去の固定観念で数字を読む。
・悪い話は聞きたくないと思う人間には真実は掴めない。
・物分りの良い上司を演じても業績は伸びない。
・関心のフックは挑戦する意欲により磨かれる。
・新規事業立ち上げ時の勉強は、過去の経験をなぞる作業に過ぎない。まずは仮説から。
・人・金・物がそろった時点で企業は衰退する。環境は自分達で作り上げる。
・条件が恵まれていなかったからこそ、挑戦が生まれた。
・手段が目的化すると必要以上の物をつくる。
・挑戦は、自分の中で6〜7割の可能性を感じたとき。
・挑戦してものめりこむな。
・会社にしがみつくと本当の力は出せない。
・みんなが反対することはたいてい成功し、いいということは失敗する。